プラスチック汚染を考える ープラスチックが好きな人間の戯言ー
人生つらいなあ~
どうもたかおです。
前回に引き続き、プラスチックについてのお話です。
私はプラスチックが好きです。
その理由は
・合成時の条件(モノマー、重合度、分散度、共重合など)が少し変わると大きく性質が変わる【ミクロな部分】
・加工のやり方次第で性質が大きく変わる【マクロな部分】
といったように、まだまだ新しい可能性を秘めた材料だからです。そして、現在進行形で数多くのプラスチック製品が登場し、私たちの生活をより良い物へと変えてくれています*1。しかしながら、このプラスチック、最近地球環境に悪影響を与えてるということで国際的に問題になっています。(その一つの例として前記事のマイクロプラスチックが挙げられている)
私としては、プラスチックにはもっと活躍してもらいたい、という希望を抱く一方、プラスチックが増えることで私たちの生活環境が脅かされるのではないか、という不安を感じるという一種のジレンマに陥ってます。どうしたものか。
私たちは、プラスチックに対する向き合い方を変えないといけなくなってきているのではないでしょうか。これは決して他人事ではなくて、プラスチックに囲まれた生活を送る私たち全員が考えたほうがいい問題だと考えています。
この記事では
- プラスチックの問題点を改めて認識し、
- この問題にどう向き合うべきか
を書けたらと思います。興味があるところだけ読んで、少しだけでもプラスチックに意識を向けていただけたらうれしいです。
余計な前置き:エネルギー問題とは別問題
プラスチックは石油などの天然資源から作られることが多いです。ですのでよく「エネルギー問題」「資源問題」の中で議論されることがあります。プラスチックを作り続けると石油資源が枯渇する!みたいな話ですね。
今回はこの類の問題は横に置いておきます。エネルギー問題はあくまで「供給源」、要は原料の問題ですが、今回の問題は「吸収源」の問題、すなわち使い終わった後地球に与える影響の話です。もちろん両方が解決されるのが望ましいですが、あくまで今回は「使い終わった後」の話に焦点を当てていきます。
プラスチック汚染の現状
プラスチック汚染、という言葉が出てきたときに焦点があてられるのは「海洋」の汚染です。プラスチックの多くは軽いので、風邪ででとばされたり、水辺から流れてきたりして、海にたどりついてきます。この量が少なければそんなに大きい影響もないのでしょうが、研究者らによれば、年間950万トンものプラスチックが海洋に流出しているとのこと。950万トンっていくら海広しといえど多すぎではないですか???
現役時代の朝青龍6200万人分の重量ですよ!!!??!??!?!
そして2050年までに重量ベースで魚の量を超すという試算も出ているらしいです。
さらに増えるんかい。
こんなにあったらそりゃ環境悪化しますわ(偏見)。
環境によくない、人間にもよくない
実際に海洋のプラスチック汚染によって、
●生き物のすみかが荒らされる(沿岸、海底の生息地の物理的擾乱)
●ゴーストフィッシング(プラスチック製の漁網が海に流れ、海洋生物がそれに絡まり、身動きできなくなり死ぬ)
●体内摂取(プラスチック食って健康悪化して死ぬ)
などのような悪影響を、生物や環境に与えているそうです。「クジラがレジ袋を食べ死に至る」という話を聞いたことがある人もいると思いますが、こうしてプラスチックが原因で命を落とす生き物もいるわけです*2。
別に生き物が死んでもいいやん~っていう人もいるかもしれませんが、
人間にも大きな影響を及ぼします。魚などがプラスチックによって汚染されていれば、プラスチックに含まれる添加剤が食物連鎖を通じて私たちに回ってくることが懸念されますし、体だけでなく私たちの経済活動にも影響を及ぼしています。例えば、
●水泳、潜水中にプラスチックごみが絡まり死亡
●船とプラスチックの接触事故(プロペラなどに巻き付くなど)
2005年米国沿岸警備隊の報告によると、水面の物質との接触によって15人が死亡、116人が負傷しているとのこと。
●船舶にダメージが与えられることにより海運のサプライチェーンに影響(年に2億7900万ドルの損害が出てるという推計)
●観光業界に影響(海辺に大量のプラスチックごみがあって汚い)
正直得をすることは一つもないですし、私たちが社会で生きていく上で無視することはできない問題ともいえるでしょう。
なんでこういうことが起こるのか
プラスチック汚染が広まるのは
①プラスチック使用量(排出量)が多い
②処理が適切になされていない
が原因だと考えられます。これらが解決されない限りはプラスチック汚染が減ることはないでしょう。
①に関しては、やはりプラスチックの汎用性の高さから、より多くの状況で多量に使われていることが理由だと思われます。
②については、災害などで流されるといったやむを得ない理由の物から、ポイ捨てしたものが排水溝を流れて海へ、もしくは沿岸部に埋め立てられたものが飛ばされて海へ、といった、「人災」的な理由なものもあります。
このほかにも諸要因があるわけですが、①と②の組み合わせが一番事態を悪化させていると考えられます。レジ袋やストローは一回使えばあとは捨てるなので気軽に使えるので、どんどん消費されていきます。使い終わったプラスチックはほとんどは埋め立てされるか、自然流出するだけで、リサイクルされるものは1割もありません。
こういう現状ですから、プラスチック汚染問題は今のところ、大きな改善には至っていないのです。
プラスチックなんてなくなればいい?
このように書くと、プラスチックとかいうものがあるから都合が悪い、という考えに至る人もいると思います。
プラスチックなんて使うの一切やめて、代替品を使えばいいんですかね~。
そうすれば、環境に及ぼす影響を減らすことができて万事解決.....?
結論から言うと
プラスチックを全く使わないというのは現実的でないし、良い結果を生むことはない
です。
なぜなら、プラスチックに限った話ではないのですが、社会が直面している問題というものは、それぞれが別個のものではなくて、つながっているからです。言い換えれば環境問題の対応にはトレードオフがついて回るということになります。
具体例として、ひと昔話題になったバイオエタノールが挙げられます。
これは「植物から作った燃料だったら燃やしてもCO2排出量が理論上0じゃね」という発想から、それはそれはたくさん作られるようになりました。
結果的には、原料を作るためにアマゾンの森林伐採が進んだり、食料価格の上昇など問題点が出てきて.....
プラスチックにもこのような問題が起こりうる(別のものを使おうとして結果的に本末転倒みたいな)ので、「総合的に見たうえで」、「最もひっ迫した問題に対して」どう解決策を打っていくか考える必要があると思います。
解決策
じゃあどうしたらいいのか、プラスチックの排出量を減らすという点において、これは三つの立場の人がそれぞれの役割を果たしていく必要があります。
①政府
プラスチックの使用について法律で規制をかけたり、リサイクルに関する取り決めを設定してもらうことで私たちの活動指針が明確になり、行動が促進される。
②事業者
製品を作る人はプラスチックの減量化やリサイクルを進める事、代替素材の技術開発を進めることが求められる。
(こんな素材があるよ!みたいなやつはまた紹介したいな)
③市民(私たち)
レジ袋などの使い捨てをしない。リサイクル素材や代替素材を優先して利用する。
シンプルですが、こういう小さいことを積み重ねる事が一番効果あるんだと思います。
私たちの生活はプラスチックによって支えられていることは重ね重ね強調してきましたが、私たちの使い方次第でそれは敵にもなりえます。プラスチック汚染において問題なのはプラスチックそのものではなく、それを作り、使う人間側にあるのだということは忘れてはいけないと思います。
最後に
書きたいことが多すぎてまとめきれなかったです!!!!
最近文章の書き方を勉強しているので、少しずつ改善されると信じてとりあえず書き続けます。
また、このブログを書くに私が至った本*3があるのですが、このブログを読んで「説明が足りない」「もっと具体的な部分が知りたい」という人がいたらぜひ買って読んでみてください。リンクは貼らないので各自調べてください。
では