ばけまなび

化学について書きます あとは雑記

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エラストマーとは? 

社会人やってる方のTwitterを見ては「社会って厳しいなあ」と落ち込んでいます。

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どうもたかおです(元気)

 

今回は、化学徒にとってはなじみの深い、けれどもそうでない人にはあまり聞き覚えがないかもしれない「エラストマー」というものについて、ざっくりとしたイメージを解説していきたいと思います。 

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クソ雑魚サムネ 天音かなたもびっくり

 

 

とても身近なエラストマー

例えば皆さんが使うシャープペンシルやボールペンのグリップ、あれはエラストマーでできています。作る会社によって手触りや持ち心地が変わったりしますが、特徴としては弾力があるものが多いはずです。特徴的なものとして、三菱鉛筆のuni αゲルが有名かと思います。グリップの持ち心地が特徴的な事で知られていますよね。

 

www.mpuni.co.jp

また、地震大国日本に欠かせない防災グッズとして「耐震ゲルシート」がありますよね。これもブニブニした感触・弾力が特徴的で、揺れを緩和する効果があることが知られています。ゲルとは書いていますが、これもエラストマーの一種です。 

 

サンワサプライ 耐震ジェル 透明両面粘着(中) 地震 転倒防止 QL-75CL
 

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さらに高度な用途では、自動車部品には欠かせない材料としてエラストマーが活躍している例もあります。

 

www.mitsuichem.com 

ここで紹介した以外にも、キッチン用品(パッキンや調理器具など)、医療用品などにも多く使われています。

 

エラストマーの定義

エラストマーは我々の身近なところに潜んでいることが分かっていただけたかと思います。そして紹介した物に共通する特徴として弾力を持っていることがあげられます。さらに言えば、紹介したものは全て高分子でできています。

一般に「弾性をもつ高分子材料」のことをエラストマーと呼びます。もう少し詳しく言いますと、高分子の長いひもを何かしらの方法で架橋して、網目構造を作ることで復元力を持たせた材料ということになります。

この定義に基づいていえば、私たちが普段使う輪ゴム(加硫ゴム)もエラストマーの一種となります。*1

 

エラストマーの種類

エラストマーはその性質によって分類が異なります。ここでは代表的な二種類を紹介します。

熱硬化性エラストマー

熱硬化性エラストマーとは、熱によって軟化しないエラストマーのことを指します。*2。一般に耐熱性に優れたものが多いのが特長です。

代表例として、

  • 加硫ゴム(輪ゴム)
  • シリコーンゴム(キッチン用品とかパッキンに使われてる。先述の「αゲル」もこれの一種。)
  • フッ素ゴム(過酷な条件下で使われることが多い)

があります。

いずれも架橋が共有結合によって形成されています。

 

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熱硬化性エラストマー 架橋は共有結合でできている

熱可塑性エラストマー

熱をかけると柔らかくなり流動し、冷やすと再び弾性を示すようになるエラストマーを熱可塑性エラストマーと呼びます*3。どうして柔らかくなるのか、その理由は熱硬化性エラストマーとは異なる架橋様式を持つことにあります。

 

熱可塑性エラストマーのネットワークを形成するひもは、二種類の部分でできています(下図左上*4)。このうち比較的自由に動くことのできる部分をソフトセグメント(下図の青色)*5、集まりあって動かなくなる部分*6ハードセグメント(下図の赤色)と呼びます。この高分子ひもが一本だけでなくてたくさんあった時に、ハードセグメントが図のように集まりあって*7、架橋点としての役割を果たすのです。

 

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熱可塑性エラストマー ハードセグメントが架橋点の役割

ハードセグメントは、ある温度以下では固まったままですが、ある温度以上でソフトセグメントと一緒くたになって自由に動けるようになります。そして冷やすとハードセグメントはまたもとのように固まるのです。これが先述の特徴を示す理由となります。

こういった理由から、熱可塑性エラストマーは成形加工が非常に容易という長所を持ちます。

f:id:NeueChemikalie:20200115012523j:plain熱可塑性エラストマーの代表例として、

  • スチレン系(よくあるやつ。ゲルクッション系は大体これ)
  • ウレタン系(靴底とかに使われていたりする)
  • オレフィン系(先述の「ミラストマー」など。耐熱性好で自動車部品などに使われる)*8

が挙げられます。

 

熱可塑性エラストマーについてはいずれ詳細を記事にまとめたいと思っております。

 

最後に

いかがだったでしょうか。

だから何?みたいになっている部分もありますが、我々の身の回りにはいろいろなエラストマーが存在しているということを知っていただきたく思います。

 

エラストマーについては良質な記事が他にもたくさん出ておりますので、興味のある方は以下のような記事を読まれるとさらに知見を深められると思います。

www.chem-station.com

www.silicone.jp

とはいったものの、この範囲は興味の範疇であって決して私の専門ではないです。専門家にタコ殴りにされそうで怖いですが、殴られたら助言を基に改良していく所存です。質問・感想・忌憚なき意見をコメント欄にお願いします。

 

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では

 

この記事のつづきはこちら

熱可塑性エラストマーとは? - ばけまなび

 

*1:ゴムと表記すると、生ゴム(架橋していないゴム)も含まれる。生ゴムは勿論エラストマーではない。

*2:分かりやすさのためにこのように表現しているが、何かしらの規格にのっとったものではない。誤ってはいないと思う

*3:分かりやすさを優先してこのように表現しているが、JISの定義とは異なる。間違ってはいないと思われる。

*4:ひもの形はこれ以外にも多くある。今回は分かりやすいものを一つ記載した

*5:セグメントというのは、ざっくりいうと「一部分」みたいな意味

*6:分子運動の自由度が下がっているという方がおそらく正しいのだが、分かりやすさを優先する

*7:集まっている領域はハードセグメントの割合が多く存在しているということであって、ソフトセグメントが一切存在しないというわけではない。逆も然り

*8:オレフィン系は上の図の系とモルフォロジーが違うので、詳細については検索して調べてみてほしい