レオロジーを学ぶために 役に立った参考書
世の中はつらいことばかりですが、せめて科学という世界の中では楽しく生きていたいと思います。
どうもたかおです。
私が専攻している「レオロジー」という学問は、主に高分子材料や、分散材料などの物質の変形・流動を取り扱う学問*1で、大学の授業で単位をとるのに必要というのもありますが、メーカー(食品,化粧品や化学関係のメーカー)でものづくりをする上で、非常に重要な学問であるとされています*2。私自身は、この先使うかどうかに関わらず、興味関心のみでですが、レオロジーについて勉強を続けているところです。(もう卒業なんだけどなあ)
今回は私がレオロジーを勉強するときに役に立った書籍にどんなものがあったのか、紹介出来たらと思います。
・レオロジーについて興味があるけれども、何で勉強したらいいかわからない方
・レオロジーに関する勉強をしなければならない方(大学生など)
・レオロジーに関する知識を深め、実際に生かしたい方
の参考になれば幸いです。
それではどうぞ。
あ、楽天とかAmazonのリンクを張っていますが、アフィリエイトリンクではないです。
1. レオロジーの世界
一つ目は尾崎邦宏 先生が書かれた「レオロジーの世界」という本です。
平易な文章で書かれている上、式や実際の実験結果・データも最低限書いてあるので、レオロジーとは何か、ということを知る際には役に立ちました。
特に、第9章の「やさしい実験と観察」は読み物としても非常に面白いです。レオロジーにまつわる具体的な事象を、分かりやすい例えを用いて解説しており、興味を持った現象を詳しく理解するときにどの章を読めばいいのかが書いてあります。この点では、「レオロジーの「レ」の字も知らない」という方にとっても理解しやすい本だと思っています。
2. 基礎高分子科学
二つ目は、高分子学会が出版している「基礎高分子科学」です。高分子を専攻する学生にはなじみ深い本です。
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レオロジーの専門書というわけではありませんが、高分子レオロジーについて丁寧且つ豊富に書かれた章があり、他の専門書に一切引けを取りません。図表も見やすく、文章も比較的丁寧で分かりやすいと思います。大学の講義で必要なレオロジーの知識の理解はこの本で十分カバーできた気がします。
また、この本のいい所は、高分子に関する基本情報が、他の章に網羅されているので、文章を読んでいて分からなかった部分を別の章で調べる、といった使い方ができるところだと思います。何かと使える一冊です。
3. 新講座・レオロジー
三つ目は日本レオロジー学会が編集した「新講座・レオロジー」です。この後紹介する「講座・レオロジー」と並び、レオロジーの専門書の決定版ともいえる気がします。
(リンクなし)
初級者にはお勧めできませんが、専門的な知識・実際のデータ例などはほぼ網羅されており、上の1,2の本を読んでさらに専門的な知識を身に付けたい方にとっては、あって損はない本だと思います。全部を網羅するのは少し厳しいと思うので、1~4章の基礎事項のみ抑えるか、必要に応じて必要な章を利用するような辞書的な使い方が一番良い気がします。
しいて言うならば、レイアウトが見にくい気がします。場合によっては、全体の見にくさによって心折られるかもしれません。
4. 講座・レオロジー
最後は、「講座・レオロジー」です。
この本は、「新講座・レオロジー」が改訂される前の本です。新講座の場合と同様に、専門的な知識・実際のデータ例が豊富で、専門的な知識を身に付けたい方にとっては、有用な本だと思います。内容については新講座・レオロジーと被る部分も多い気がします。
少し古い本ですが、基礎的な事項を理解する上では「新講座・レオロジー」よりも分かりやすいです。レイアウトも統一感があり、ページとしてはこちらの方が見やすいと個人的には思います。全部を読み通せてはいないので何とも言えないのですが、昔の本には変わりないので、情報として古い部分もあるかもしれません*3。しかし、しっかりと基礎を固めつつより理解を深めていく時にはこの本が何かと役に立っている感じがします。
ちなみに「新講座・レオロジー」「講座・レオロジー」は、どちらも日本レオロジー学会のホームページから購入することができます。新品を書店やオンラインショップで買うことはできないみたいです。
興味があればどうぞ。
中古品ならば、Amazonやメルカリなどで買うことができると思います。
最後に
いかがだったでしょうか。好みの問題とかもあるので人によるとは思いますが、参考にしていただければと思います。
今回はレオロジーに関心のある方にむけての内容とはなっていますが、このブログではレオロジーにまつわる面白い現象を楽しんでもらえるような内容を書いていきたいと思っております。今後ともよろしくお願いします。
またご意見、感想など、コメントを残していただければ幸いです。
では
*1:詳細はここでは触れない。いずれ別記事で記述したいと思うが、そうでなくても、これから紹介する本にすべて書いてあるので、そちらを参照されたい。
*2:私はまだ働いていないので実情は知らないですが。実際学会などに行ってもレオロジーに関する発表を行っておられる企業様もたくさんいらっしゃるので、正しいと思います。ただその重要度は企業様によって大きく変わると思っています。
*3:すべての内容を把握できているわけではないので断言はできないが、今は使われていない手法などが書かれていたりするかもしれない、ということであって、間違いがあるかもしれないということを述べているわけではない。情報の正確さについては問題ないと考えている。